家に消防団員の勧誘があった、なんてことはないでしょうか。
また、街に出ると「消防団員募集」のポスターを見たことがないでしょうか。
消防士は消防署に勤める本職の人ですが、消防団員は自分の仕事を持ちながらも消防活動に参加している人達です。
となると、ボランティアなのかなと思ってしまいますよね。
しかし違うんです。
ここでは消防団員の身分について、10年在籍している私が紹介します。
目次
消防団員ってボランティアではないの?
まず先に、消防士と消防団員は違います。
消防士は消防署に勤める地方公務員で常勤の職員です。
しかし、消防団員はそうでありません。農業や自営業、また会社勤めなど自分の仕事を持ちながら地域の消防団員として活動しています。
自分の仕事を持っているならやっぱりボランティアではないのかと思われるかもしれませんが違います。
身分としては非常勤特別職の地方公務員になります(地方公務員法第3条第3項第5号)。
世間としてはボランティアに見えますが、報酬も一応でる形ですよ。
一般の団員を例にあげると、年間3~4万程度ですね。ちなみに私はこの報酬についてはもらったことがありません。団の運営費に充てられていました。
あとは退職金も出ます。15年以上ぐらい長く勤めると多く出るようで「意外と多くもらった」と喜んでいる人もいました。
このあたりの詳しい規定は自治体(市町村)の条例に載っています。
全国一律ではなくて、自治体ごとに報酬の額等違いがあります。ネットで「○○市消防団条例」と検索すれば、詳しい内容が載っていますよ。
消防団員は地方公務員なんです。
でも私の体験上、消防団員ですらも地方公務員であることを知らない人が多いような気がします。皆ボランティアの延長といった自覚でしょうか。
消防団の活動内容としては、消防活動、風水害災害対処、遭難者の捜索等。
社会にとって重要な活動なので、身分としてはボランティアではないんです。
集まる場所もあり、詰所もしくは屯所と呼ばれる所です。
「○○市△△消防団××分団」
と看板がかかっていて消防車も配備されています。
消防団員は準公務員?
消防団員はボランティアではないと知っていて、準公務員だと指摘する人もいます。
先ほど申し上げたように消防団員の身分としては非常勤特別職の地方公務員。
これは準公務員でしょ?と思われるかもしれませんが違います。
準公務員と特別職の非常勤地方公務員、これら二つは意味が違います。
準公務員は「みなし公務員」とも呼ばれます。
こちらは公務員ではないけれども、仕事の内容が公益性、公共性があるために公務員として扱いを受ける人達。
一般の企業に勤める人達です。
例えば郵便局の職員、銀行員、電気会社職員、NHK職員、公共図書館職員。この人達が準公務員です。
消防団員は自分の仕事を持っていて消防団員として活動していますよね。消防団員の仕事が非常勤特別職の地方公務員としての扱いです。
自分の仕事は農業であろうと自営業であろうが会社勤めであろうが何でもいいです。
しかし、準公務員の人達は自分たちの今している仕事が準公務員としての扱いなのです。
そういった違いがありますよ。
非常勤特別職の地方公務員について補足しておきます。
特別職の意味は、一般の公務員とは異なる取り扱いを受けるということです。
非常勤の意味は、常勤の職員ではなく労働の時間は常勤の職員より短いということです。
まとめ
消防団はボランティアではないということについて紹介しました。
準公務員でもありませんよ。
消防団員は、正確には非常勤特別職の地方公務員ですよ。
準公務員と間違えやすいので気をつけてくださいね。