「田舎には消防団があって大変そう。」
なんていう意見をネット上でたまに見ます。消防団は田舎特有のものと思っている人がわりといるんです。
しかし都会にもちゃんとあるんですよ。
都会にもあるなら全国的にあるものなのかと思ってしまいますが、実をいうとない所もあるんです。
これも含めて紹介しますね。
目次
消防団は都会にもある
都会は人がたくさんいて消防機関が充実しているから、ボランティアである消防団なんてないのだろう、そういう先入観があるかもしれません。
しかし例を挙げますと東京都の品川区では品川消防団というのがありますね。
この品川消防団は令和2年度では分団数6、団員数194名(男性154名、女性40名)でした(参考:総務省消防庁HP)。
ちなみに分団とは、その地域においてさらに小さく分かれた団のことです。品川区に6か所分かれてあるってことですね。
このように東京の都会にもありますから、全国的にあるものなんです。
なぜ都会にもあるのかというと消防団は消防組織法に基づいているもので、それぞれの自治体(市町村や区)に設置されるものなんです。
そして消防団はボランティアにみえますが、実をいうと地方公務員(非常勤特別職の地方公務員)。
法律に基づいているものですからあるということですね。
ということで全国的にあるものなんです。
あと「自助」「共助」「公助」という考え方からもあります。
- 「自助」はまず家族を含め自分自身を守ること。
- 「共助」は地域やコミュニティで助け合うこと。
- 「公助」は消防など公的機関による援助のこと。
消防関係でいうと、公助は常備消防である消防署です。
そして消防団は共助にあたるんです。その位置づけですから都会だからない、ということはないんですね。
昨今大規模災害が増えていますし、公的な部分ではまかないきれない部分を共助として準備しておくのは必要だという考え方です。
大阪市と堺市にはないの?
私が消防団員であった時、「大阪市には消防団はないよ」ということを聞いて驚いたことがあります。
たしかに、下の図をみると大阪市には消防団としてはありません。
四条畷市では消防団としてありますが、大阪市は「災害活動支援隊」となっていますよね。
これをみれば「消防団」はありません。
ただ、災害活動支援隊は機能別消防団とも言われるものです。
厳密には消防団はあるんです。
機能別消防団とは何かというと、目的を特化した消防団。
ここでは、地震や洪水など大規模な災害が発生した場合に出動して、消防職員の消火や避難誘導などの消防活動を支援することに特化した消防団です。
一般の消防団は火災発生時にも出動しますが、こちらはしません。災害活動支援隊の活動は災害時に特化しています。
もうひとつ大阪市と同じく消防団という名称でないのが、堺市です。同じく大阪府です(堺市の一部、美原地区には消防団はあります)。
大阪市と堺市は消防団ではなく「災害活動支援隊」として存在します。
これは一般の消防団と比べて以下の違いがあります。
- 通常の火災では出動せず、大規模災害の時に出動
- 消防局の消防職員OBで構成されている組織
大阪市は大阪市消防局、堺市は堺市消防局のかつて消防職員だった人達で構成されています。
消防団は一般の被雇用者や自営業など自分の仕事を持ちながらも消防活動に参加している人たちで、災害時の他通常の火災にも出動します。そういった違いがありますね。
まとめ
消防団は都会にはないよう誤解されることも多いですが、ちゃんとあります。
また、大阪市と堺市には消防団としては存在しません。機能別消防団として災害対応支援隊というのがありますよ。