料理の本やテレビ番組をみると、「アクを取ってください」という指示があります。
でも、アクって一体なんだろう、どうしてアクは取らなくてはいけないのだろう?
と思ってしまいますよね。
ここでは、そんなアクについて色々とまとめました。
目次
アクとは何?
アクとは、食材を煮込んだ時にでる、臭みやえぐみのこと。
- 野菜のえぐみ
- 魚の臭み
- お肉の臭み
- コンニャクの臭み
などが当てはまります。アクには植物性のものと動物性のものがありますよ。
植物性のアクは、植物に含まれる刺激物で、動物性のアクは、たんぱく質が凝固したもの。
臭みは分かりますが、「えぐみ」も分かりにくいですよね。えぐみは、舌がヒリヒリするような不快な味のことです。「苦味」とはまた違います。
これらを全てまとめてアクと呼んでいます。
取る必要のあるもの?
アクは必ず取らなくてはいけないものなのだろうか、そのようにも考えてしまいますよね。
灰汁にも動物性のもとの植物性のものがありますが、植物性のものはえぐみが強すぎて、灰汁抜きしないと食べられないものがあります。
例えばタケノコやワラビ、ゼンマイなど。
これらは必ず取る必要がありますね。
また、ほうれん草にはシュウ酸がたくさん含まれています。
シュウ酸を多くとりすぎると尿路結石の原因となってしまう可能性があるのでできるならアク抜きはしておいてください。
お湯でアク抜きをすることにより少しでもシュウ酸を減らしておくことが良いとされています。
動物性のアクについては特に問題ないとされます。
というのも、
肉や魚介類を煮た時のアクは、煮汁に溶け出した水溶性のタンパク質が熱変性によって凝固した、アミノ酸や脂質を含む泡状の浮遊物(出典:ウィキペディア)
たんぱく質が変化したものであるので、体には特に影響ないとされるからです。
しかし、アクを取らないと臭みがあります。
例えば、肉じゃがも、肉の味が強すぎて臭みとなりじゃがいもやコンニャク等の旨味を消してしまうことも。
できるならアクは取り除いて料理をしたほうがいいですね。
アクはどれくらい取ればいい?
このアクですが摂りすぎるとかえって野菜やお肉、お魚の旨味まで取ってしまう恐れがあります。
旨味まで取り除いてしまうとせっかくお肉や魚、野菜のおいしさが失われてしまうので煮込む意味がなくなってしまいますよね。
どれくらい取れば旨味を消すことがなく、エグミや臭みだけ取り除けるのかと言うと、
- 煮込んでいるアクは最初の1回目に出てきたものを丁寧に抜き取る
- アクが強い野菜はアク抜きを水で10分ほどする。(ナス、サツマイモ、ジャガイモなど)
この2つの方法があります。
他にも方法があります。
- 塩水に付けたり塩を振ったりする方法(ナス、リンゴ)
- コンニャクはお湯にくぐらせて取るアクの抜き方(板コンニャク、糸こんにゃく)
- ゴボウを酢水につける方法
- お湯で野菜を煮込みアクを取る方法(ほうれん草、小松菜)
どれも1つの野菜に対してのアクの取り方なので基本的には一番最初に紹介した2種類の方法だけ覚えて置けばOKです。
漢字ではなぜ灰汁?
アクは漢字では、「灰汁」となります。
「灰」とあるので、灰のグレーを思い浮かべそうですが、煮込んでいる時に見るアクはクリーム色をしています。
野菜を水につけてたアク抜きだと野菜の色がそのまま抜け落ちたりします。
灰色なんて出たことがないのになぜ「灰汁」なんだろう?と疑問に思う人も多いはず。この理由は灰を水に付けて得る汁の事から灰汁と言う漢字がつけられています。
この灰汁を使って、食材の臭みやえぐみ処理を行いました。結果、その臭みやえぐみ自体も灰汁と呼ぶようになったのです。
まとめ
灰汁には植物性と動物性のがあります。
灰汁は、臭みやえぐみを取り除いて美味しく食べ物を食べる過程で必要なんですね。
アク抜きは煮込みだけでなく水に漬ける方法もあるので、それぞれの食材にあった方法を利用してください。(おわり)