山菜と野菜の違いはなんだろう?
野菜は畑で育てて作られるもので、山菜は山で自然に生え育っているもの。
このように思っているかと思います。
でも今、山菜を畑で育てているところもあるんです。
それは山菜なのか、それとも野菜になってしまうのか?
山菜と野菜の違い、山菜を畑で栽培したらどのような扱いになるのかについて紹介します。
目次
山菜と野菜の違いは?
野菜と山菜の違いは、世界大百科辞典によると以下の通りです。
野菜・・・食用のために栽培する草本
山菜・・・山野に自生する植物で,食用に供するものをいう
「草本(植物)」とは茎の部分が木のように発達せず、1年程度で枯れてしまう植物のこと。
野菜と山菜の違いは私たちのイメージしているのと同じで、畑で栽培されているものが野菜、山で採ってきたものが山菜です。
しかし山菜が栽培されているのをご存じでしょうか。すると、これは山菜なのか野菜なのかという疑問があります。
山菜を栽培したら野菜になるの?
ワラビ、タラの芽、フキノトウ、ウド・・・
とても美味しいですよね。
山菜は朝市や道の駅などの販売所で人気が高いです。旬なもので希少性もありますから高く売れるんです。
すると販売者としては地域の特産物として安定的に提供したいと思うもの。
そうして、これらの山菜は栽培されるようになってきています。
もし山の中を探し回って採ってきているとなると、かなりの労力が必要です。そんなことを続けているより栽培した方が効率がいいという考え方は自然にできてしまいますよね。
そのようにして販売されている山菜。
これは山菜なのでしょうか?野菜なのでしょうか?
購入者はワラビ、ゼンマイ、タラの芽など店に販売されているものを見て、野菜と思うでしょうか。
天然ものなのか畑で栽培されているものなのか関係なく山菜と思うはずです。
つまりお客さんにとっては、山菜として知られているものはやはり山菜なんです。
でも作る側としては畑で育てています。
畑で栽培しているものが野菜で、山野に自生して食用にする植物が山菜。
この定義では野菜になってしまいます。
この疑問に当たっては農林水産省の見解も見てみますと・・・
生産分野においては、一般的に次の特性を持つ植物が野菜とされています。
- 田畑に栽培されること(栽培されていない山菜などは野菜と区別することが多い)
- 副食物であること
- 加工を前提としないこと(こんにゃくのような加工を前提とするものは野菜としていない。漬物のように原料形質がはっきり残っているものや家庭における簡易加工は加工に含まない)
- 草本性であること
(出典:農林水産省)
1番に、野菜は田畑に栽培されること(栽培されていない山菜などは野菜と区別することが多い)とあります。
カッコ内を解釈すると栽培されている山菜は野菜に含めることができるとなります。
しかし、栽培されている山菜は野菜かと断定すべきかというと、先ほど触れたように購入者であるお客さんにとっては山菜は山菜です。
むしろ野菜と断定してもそうは思わない人が多いですよね。
現状として畑で栽培される山菜については、野菜として捉えられることもあれば、一般的市民感覚として山菜として捉えられることもあります。
ここは曖昧な部分なんです。
いずれ消費者が畑で栽培されているものだと皆認知し始めれば、野菜となるかもしれません。
まとめ
山菜と野菜の違いについて紹介しました。
畑で栽培して食用となる植物が野菜で、山に自生して食用となるのが山菜です。
栽培した山菜について野菜になるか山菜になるかは、今の段階では曖昧ですよ。(おわり)